新型コロナウイルスに関して、手洗いが効果的であるとされています。
果たしてどの程度の効果があるのでしょうか。
まずは細菌とウイルスのちがいをはっきりさせておきましょう。
そして、手洗いの効果とアルコール消毒液の効果はどうでしょうか。
今はどこの施設やお店にいっても、アルコール消毒液が設置されています。
アルコール消毒だけで効果はあるのか調べてみました。
参照したサイトのリンクはそれぞれ載せてあります。
CDCや医療機関、ニュース記事などからのサイトからの情報をまとめました。
細菌とウイルスのちがい
細菌とウイルスはどちらも微生物です。
それら病原体が人間の体内に入り、増殖することで感染症を引き起こします。
細菌とは
- 細胞をもつ生物
- 栄養があれば細胞分裂をくりかえし増殖する
- ウイルスより大きい
- 抗生剤がきく
- 細菌性感染症の例:結核、コレラ、マイコプラズマ肺炎、O157
ウイルスとは
- 細胞をつくらない物質
- 栄養を摂取できない
- 単体で自力で増殖できない→人の細胞に入って自分のコピーを作って増殖する
- 抗生剤がきかない、抗ウイルス薬はまだ少数
- ウイルス性感染症の例:かぜ、インフルエンザ、おたふく、風しん
※かぜを引き起こすウイルスは主に、ライノウイルス、コロナウイルス
※緑膿菌の直径:1マイクロメートル
インフルエンザウイルスの直径:0.1マイクロメートル
インフルエンザウイルスは、空気中や土壌中などの環境中では増殖しません。
引用元: 感染症情報センター
手洗いでどのくらいの菌、またはウイルスが落とせるのか
手洗いでどのくらい落ちるのか
薬用ソープか普通の石けんかは関係ありません。
しっかり泡立てて、時間をかけて洗うことが重要です。
手洗いなしの状態 ウイルス約100万個
↓
流水で15秒 約1万個
↓
ハンドソープで10秒または30秒もみ洗い後、流水で15秒すすぐ 数百個
普段行っている手洗いでは、流水で15秒も、ハンドソープで10秒もできていないと思います。
目に見える程度の汚れ程度しか落とせていないことになります。
正しい手の洗い方
以下はCDCのサイトを参照しましたが、やり方はどのサイトでもほぼ同じです。
- きれいな流水で手をぬらす、水をとめる、石けんをつける
- 石けんを泡立てて、泡を手の甲、指の間、爪の間にもつける
- 少なくとも20秒間洗う(ハッピーバースデイの歌をフルで2回歌いましょう)
- きれいな流水でよく洗い流す
- きれいなタオルを使うか自然乾燥させる
アルコール消毒液の効果
CDCのサイトでは「石けんや水が使えない場合、アルコール消毒を使いましょう」とあります。
少なくともアルコール60%以上の消毒液を使う必要があります。
アルコール消毒は、手についた菌をすぐに減らせることが最大のメリットです。
アルコール消毒液の使い方
アルコール消毒液は、最初に指先にすりこむのがポイントです。
手のひらより指先の方が使いますからね。
指先→手のひら→手の甲→指の間→親指→手首 詳細はこちら
手を洗ってさらに消毒液を使う場合は、手を乾燥させる必要があります。
手洗いなしでアルコール消毒だけだと効果なし?
単純に、汚れがあるとその下に消毒液が浸透しません。
目に見えるほどの汚れがあれば、まずは手を洗って汚れを落とさないと効果がありません。
アルコール消毒液を使っても、、? 参考元:CDC
- すべての菌は取り除けない
- 明らかに汚れていたりあぶらっぽかったら効果が弱い
- 殺虫剤や重金属などの有害な化学物質は除去できない
細菌やウイルスの生存期間はどのくらいか
細菌もウイルスも”生きている状態”、つまり、感染力を維持している状態はどのくらいなのでしょうか。
細菌はどのくらいで死滅するのか
そもそも皮膚には「常在菌」と呼ばれる菌があります。
外から侵入してくる菌を防ぐ、バリアの役割をしています。
手洗いしても完全には落ちません。
こちらもトイレのハンドドライヤーについての記事です↓
菌が増えてしまう一番の原因は水分なので、飛散した菌も、水分がない限りは害になりません。 街中で手すりやつり革を触ったとき、手には数百~数千個の菌が付着するものの、乾燥していれば数時間のうちに死んでいきます。
引用元: biz-journal
ウイルスの生存期間はどのくらいか
インフルエンザウイルスを例にとります。参考元:感染症情報センター
環境表面がつるつるやでこぼこなのか、温度・湿度、ウイルスの状態と量によります。
通常2~8時間程度です。
環境表面にウイルスが付着しても一晩たっていれば、そこから感染しません。
ドアノブ、テーブルなど触れる部分、壁、床など
- 発症者が出入りする病院では、ドアノブなどをアルコールで拭くことに効果がある。(接触感染を防ぐ)
- 水ぶきでもウイルスの量を減らす意味はある。拭いたあとは手洗い・消毒をする。
- 学校などで発症者がいないなら、環境消毒(アルコールで拭く)する意味はない。→手洗いを習慣づけるべき
SARS,MARSのコロナウイルスを使った実験結果です。
ドアノブやテーブルなどの金属やプラスチックに付着したウイルスが、感染力を維持した状態でいられる期間は最長9日間です。
消毒しないままだと、平均4~5日は生き残ります。しかし低温、高湿度の条件で寿命はさらに延びます。
参考元:ハザートラボ
インフルエンザのように、季節が変われば自然に終息する、ということにはならないのでしょう。
アルコール消毒液で拭き取ることが重要になってきます。
まずは手洗い!
ウイルスや菌は手を介して感染してしまうことがほとんどです。
外から帰ったらすぐ、食事のまえや調理のまえは念入りに洗うことが重要となります。
ウイルスと考えれば、石けんで洗うこととアルコール消毒も効果があります。
WHOも厚生労働省も「まずは手洗い、消毒」といっている理由はこれでしょう。
以下個人的な感想です。
注射のときアルコールで拭かれますが、「アルコールでかぶれたことがあるか」と必ず聞かれますね。
かぶれる方がいるからです。アルコール消毒を強要するのも考え物です。
ウイルスが体内に入って発症する可能性はどのくらいでしょうか。
感染者のせきを浴びる、もしくはウイルスが手についてしまう、そしてそれが生きている状態でかつ体内に入り、さらに症状が出る可能性は、、
と考えていくと発症する可能性はものすごい低いように感じます。