薬用石けんはメリットなし!抗菌・除菌・殺菌・滅菌のちがいを説明できますか?

くらし

2020年は「感染」「ウイルス」という言葉に、敏感になった方は多いのではないでしょうか。

しかし、効果があるとか特に気にしないで除菌シートなんかを使っていませんか?

除菌って書いてあるから、大丈夫じゃないの?

普通の石けんより薬用石けんの方が効果が高いと思っていませんか?

 

この記事では、参考にしたサイトをもとに薬用ハンドソープの効果や抗菌・除菌・殺菌・滅菌のちがいを紹介します。

さらに、CDCのサイトに書かれていたよくある質問を紹介します。

CDCって?
Centers for Disease Control and Prevention アメリカ疾病予防管理センター
アメリカの政府機関であり、感染症対策の総合研究所である。CDCからの情報は、非常に多くのデータをもとにしたものであり、世界標準とされる影響力をもつ。
参照元:Wikipedia

あなたが正しいと思っていた常識が、まちがいかもしれませんよ。

薬用石けんは普通の石けんとちがいはない

薬用せっけんは普通の石けんとちがいはありません。

薬用石けんを使うことで、さらにメリットがあるという研究はありません。

科学的根拠はありません。

予防のために薬用せっけんを使うことに関して、普通の石けんと薬用石けんは同じです。

逆に、薬用石けんの成分は、普段使いで長期間使うとよくないです。

2016年に特定の成分を含んだものは、アメリカでは販売禁止になりました。

日本もこれを受け規制されました。

薬用といえば、薬用石けんミューズです。

「殺菌」「消毒」と書いてありますね。

ミューズの販売元の見解はこちら(PDF) ⇒ 当社石鹸製品について

参考元:CDC Frequent Questions About Hand Hygiene 

手洗いは普通の石けん、もしくはハンドソープで十分ですね。

石けんとハンドソープのちがいはある? 使いやすさの問題であって「効果」を考えると同じです。

抗菌・除菌・殺菌・滅菌のちがいを説明できますか?

大した効果があるかも疑問に思わずに使用していませんか?

除菌て書いてあるから大丈夫じゃないの?

菌を殺すものと、増殖をおさえるもの(殺さない)の2つに分けられます。

  • 殺す ⇒ 殺菌、滅菌、消毒
  • 殺さない ⇒ 抗菌、除菌

細菌とウイルスはちがいます。細菌(英語でgerms)は細菌、ウイルスも含めた微生物の一般的な名称です。この記事はこの定義で紹介します。細菌ウイルスのちがいについてはこちらの記事をどうぞ ⇒ 【新型肺炎】手洗いの効果|アルコール消毒だけで効果はあるのか

抗菌は菌がつかないということではない

菌がこれ以上増えないように、増殖をおさえるという意味です。

つかないようにすることではありません。

これは「細菌」に限ってです。

カビ、黒ずみ、ぬめりは対象外です。

除菌は菌がなくなることではない

数を減らすということです。

なくすことではありません。

対象となるものから増殖可能な細菌の数を減少させることです。

除菌シートで手をふいたって菌はとれません。

テーブルとか固いものの用途でつくられています。

滅菌と殺菌、消毒のちがい

滅菌が一番厳しい

滅菌は死滅のことで、菌に対してはもっとも厳しいことです。

人の手を滅菌することはできません。

人の細胞を破壊しないと滅菌にはなりません。

物に対して「滅菌」と使います。

器具を滅菌する、ばんそうこう、ガーゼに滅菌の表示がありますね。

一部を殺しただけで殺菌

殺菌は菌を殺すことですが、殺す対象や程度の意味を含んでいません。

一部を殺しただけでも殺菌といえるのです。

「医薬品部外」の薬用石けんでは「殺菌」を表示することはできますが、「雑貨品」の漂白剤ではできません。

消毒は毒性を無力化させること

死滅や除去し、害のない程度まで減らすことです。

つまり、感染力を失わせることをいいます。

病原性微生物をなくす方法のひとつです。

滅菌、殺菌と使い分けがされています。

テーブルの水ぶきは意味ない? ふくことで物理的に菌を取り除くことはできるので「感染リスク」を下げることができます。患者がくる病院でなければ、なんでもアルコールでふく必要はありません。詳細はこちらの記事をどうぞ ⇒ 【新型肺炎】手洗いの効果|アルコール消毒だけで効果はあるのか

CDCのサイトから手指衛生に関してよくある質問

参考元:CDC Frequent Questions About Hand Hygiene 

水よりぬるま湯で洗った方がいい?

どちらでもいいです。

水でもぬるま湯で洗っても、落ちる菌の数は同じです。

菌を殺す!と思うと、やけどするくらいの温度でないと意味ないです。

ペーパータオルやハンドドライヤー使った方がいい?

何で手をふいた方がいいのか? という科学的な根拠はありません。

何にせよ、すぐに乾かすことです。

ぬれた状態の方が菌が広がりやすいからです。

タオルは明らかに汚れているときや、湿っている場合はかびがはえる前に交換しましょう。

アルコール消毒と手洗い、どっちがいい?

石けんで手洗いすることがベストです。

その方がすべての菌や化学物質を取り除けるからです。

水や石けんがない場合は、アルコール濃度60%以上の消毒を使いましょう。

アルコール消毒だけではすべての菌を殺すことはできません。

水だけでも手をもみならが洗い流すと多少菌は取り除けます。

除菌シートやおしりふきは効果なし?

用途がちがいます。

おしりふきは手をきれいにするためのものではありません。

除菌シートで手を拭いたって菌はとれません。

手についた菌を落とす目的でいえば、アルコール60%以上でないと効果はありません。

除菌ウェットティッシュとうたっているものは、濃度20~30%程度しかありません。

アルコールがはいってない消毒は?

何度もいいます。

アルコール60%以上のアルコール消毒でないと効果はありません。

近所のドラッグストアにおいてある消毒は、アルコール濃度が記載されているものは確認できませんでした。

エタノールはアルコールの一種です。

病院や公共施設にある「アルボナース」にははっきりと書かれていますね。

エタノール59%で、1リットル2~3千円します。詳細はこちら

アルコール消毒は「医薬品」「医薬品部外」の表示があるものを使おう!「医薬品」「医薬品部外」は品質や人体への安全性が確認されているものだからです。「化粧品」「雑品」の部類のものもあります。「雑品」は手指の消毒を目的としたものではありません。参照元:厚労省ホームページ

厚労省では濃度70%以上のものと記載されています。

 

アルコール消毒についてはこの記事をどうぞ。

私たちは菌とともに生きている

  • 手洗いは薬用石けんを使う必要なし
  • 一部を殺しただけで「殺菌」、菌を減らすことが「除菌」
  • 石けんで手洗いがベスト!アルコール消毒は濃度60%以上のものを使おう

ここからは私個人の意見です。

手には常在菌とよばれる菌がついています。

これが悪い菌が体内に入ってくることを防いでいるのです。

子どもなんて、手洗いはまともにできていませんよね。

でも元気ですよね。

おまけ ハンドソープの販売量推移
引用元:日本石鹸洗剤工業会

何かのきっかけでマーケットは動きますね。

最新のグラフが見つかりませんでしたが。

2020年1~3月の決算で、純利益が前年の4倍とのメーカーもあります。

そりゃそうですよね。