【あなたの常識は非常識】「ファクトフルネス」から地球温暖化を考える

地球環境

地球温暖化について勘違いをしていませんか?

この記事ではベストセラー本「ファクトフルネス」に記載されていた、地球温暖化について紹介します。

2007年に話題となった「不都合な真実」の内容についても併せて紹介します。

ひとつのものさしで測ること、そして思い込みは危険です。

【ファクトフルネス】ひとつの数字だけで判断しない

ファクトフルネス(factfulness)とは、データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。世界を正しくみるスキルのこと。

中国やインド、そしてほかの新興国は、二酸化炭素の排出量を増やしています。このままいけば、地球温暖化に歯止めがかからなくなる。現時点で、中国はアメリカより排出量が多く、インドはドイツより排出量が多いのです。

引用元:ファクトフルネス p181

これをどう感じますか?

そんなの常識?

中国とインドが地球温暖化の犯人?

これはヨーロッパの環境相の発言です。

いかにも先進国目線といえます。

問題点は、国全体の二酸化炭素の排出量を見ていることです。

引用元:JCCCA 出典:EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版 

確かに国別でみれば、アメリカより中国が多いですね。

ひとりあたりの二酸化炭素の排出量を見ることで、正しく比較できる数字になるのです。

引用元:JCCCA 出典:EDMC/エネルギー・経済統計要覧2020年版 

この図の人の大きさを比べればわかります。

日本人1人でインド人6人分を排出しています。

たったひとつの数字で判断するのはまちがっているのです。

【ファクトフルネス】犯人さがし本能の危険性

参考元:ファクトフルネス p274

蓄積されてきた二酸化炭素の大部分は、現在レベル4の国々がこの50年間に放出してきたものです。

レベル4とは
日本のような裕福な消費者。学校に12年は通い、外食したり車を買える。蛇口からはお湯が出る。
参考元:ファクトフルネス p49
出典:ファクトフルネス p274

世界をお金持ち順に並べてみましょう。

いちばん金持ちの10億人が毎年どれほどの化石燃料を燃やしているでしょう?

全体の半分以上です。

次にその次に金持ちな10億人が残りの半分を燃やしています。

いちばん貧しい10億人は全体のたった1%しか使っていません。

 

中国やインドを犯人扱いするのは、まったくもってお門違いなのです。

犯人捜しにとらわれて、自分たちの責任を他人に押し付けているのです。

温暖化を止める方法

簡単です。

温室効果ガスをたくさん出している人が、やめればいいのです。

大量に二酸化炭素を出しているのは、レベル4の国の人たちです。

つまり、われわれ日本のような国ですね。

【ファクトフルネス】焦りは禁物

「みんなが震えあがるようなことをやらないと。」(中略)二酸化炭素の排出量がこのまま増え続けたら最悪の場合、どんな悲惨なことになるかを、お得意のバブルチャートで見せてくれないかとアル・ゴアに頼まれた。

引用元:ファクトフルネス

しかし、著者はそれを断りました。理由は以下です。

  • 恐れ、焦りをあおるから
  • 厳密な調査に基づくデータの信頼性を傷つけてしまう
  • 科学的根拠に基づく予測を超えての「未来予想」は複雑で困難

最もドラマチックな予測を選んで、根拠のうすい最悪のシナリオが確実であるかのようにみせるべきではない と述べています。

温暖化に結び付ける危険性

戦争や紛争、貧困、移民といった問題すべて地球温暖化にのせいにすれば、ほかの原因に目が向かなくなってしまい、本当の問題解決のために行動できなくなってしまう。オオカミ少年のように、だれも耳を貸してくれなくなっては元も子もない。信頼を失えば、闘いには勝てない。

引用元:ファクトフルネス p297

恐れ、誇張は危険です。

最悪のシナリオはインパクトがある⇒あせる⇒正しい判断ができない

最悪なシナリオは不確実な要素が多く含まれているのです。

 

恐怖の危険性についてはこちらの記事をどうぞ⇒【COVID-19】恐怖こそが本当のウイルス!対処法を紹介します

【不都合な真実】は真実になった?

出典:不都合な真実 p198-199/不都合な真実2 p22-23

2007年に話題となった「不都合な真実」

元アメリカ副大統領アル・ゴア氏による、地球温暖化を訴える映画、書籍です。

これがきっかけで、当時、地球がピンチだということ、そして「温暖化」が当たり前になりました。

地球環境について「知る」「意識する」きっかけになったことは確かです。

「不都合な真実」の内容

「氷が溶けている」ばっかりの印象です。

  • グリーンランドまたはグリーンランドの半分と南極半分の氷が海に落ちると、世界中の海水面は5.5~6mも上昇
  • 二酸化炭素濃度は上昇している
  • 気温上昇⇒だからこんなに危機的状況だ!

6mも上昇すれば、こうなる!!といった衛星写真や、洪水の写真ばかりが何ページも続いています。

何千万人が家を失うとかです。

そもそも、温暖化や二酸化炭素の排出量が問題とされる前から、氷河や氷は溶けていることを知っていますか?

2007年と比べてどれだけ上昇しているのでしょう? 

「不都合な真実2」はその後ではない?

「不都合な真実2」は2017年に出版されました。

「不都合な真実」で述べられた海水面上昇の話はありませんでした。

2007年と比べてこれだけ上昇してます!のデータがあることを期待しましたが、、中身はちがいました。

前半は、「気候危機」について書かれています。

二酸化炭素は増えている、そのせいで洪水、干ばつが起きているということです。

後半は「あなたができること」が書いてあります。

環境デモに参加したり、ツイッターで議員に訴えるなど「行動する」すすめが書かれています。


海水面が6m上昇は言い過ぎた!とは書かれていないのです!

 

これまで述べてきた「ファクトフルネス」を考えれば、どれだけとんでもない数値におどされてきたかわかりますね。

ファクト(事実)に基づいたデータかを落ち着いて考えれば、ありえないことなのです。

まとめ

だれもが知るようになった温暖化についても、「思い込みを乗り越える」必要があります。

  • ひとつの数字にとらわれない
  • 犯人さがしをしない
  • 焦り、恐怖は危険

世界は変わり続けています。

ここに紹介したデータが古くなるときが必ずきます。

古い知識が思い込みとなってしまわないように、アンテナを張っておくべきです。

引用・参考元
✔ファクトフルネス ⇒ FACTFULNESS(ファクトフルネス)  – 2019/1/11
ハンス・ロスリング (著)
※聴く読書 Amazonオーディオブック「Audible」なら最初の1冊は無料です!詳しくはこちら

✔不都合な真実 ⇒ 不都合な真実 – 2007/1/6 アル・ゴア (著)
✔不都合な真実2 ⇒ 不都合な真実2  – 2017/11/7 アル・ゴア (著)

視覚に訴えられるとインパクトが大きくなります。

それが不安をあおる悪いことならなおさらです。

「不都合な真実」は写真がたくさん使われています!