【理由はないけど逃げたい】仕事や将来の不安を感じたら読みたくなる小説を紹介

仕事

時々、なんとなく不安におそわれたり、それでも何も行動に移すわけでもなく、それなりに社会に対応して、目立たず生きてきた人ですか?

仕事もプライベートもそれなりに慣れてきて、なんとなくな毎日を過ごしている方へおすすめの本を紹介します。

私は現在アラフォーですが、20代後半に出会った小説で衝撃を受けたものを紹介します。

小説と短編小説の2冊紹介します。何度も読み返している本です。

これを読んでも悩みが解決されるわけではないと思います。

ただ、自分と同じことで悩んでいる、この人自分と似てると感じることで、小さな安心感を得ることができます。

自己啓発本のように押される感じより、ちょっと気持ちがラクになりたい方へおすすめします。

理由はないけど「逃げたい」と思っている

「パイナップルの彼方」 山本文緒

こんな私でも、まだ社会に未練があるのか。まだ逃げずに立ち向かっていこうという、ぎりぎりの意地が残っているのか。八方塞がりだった。逃げたい私と、逃げない私が、一枚の壁を両方からぐいぐいと押しているようだった。

引用元:パイナップルの彼方 山本文緒

信用金庫に勤める23歳OLの話です。

会社の人の関係に踏み込まず、踏み込まれずうまくやっている、快適で自由な一人暮らしをしている主人公です。

彼氏もいて、平和で穏やかな毎日を過ごしていました。

しかしある同僚の登場で、少しずつざわざわとそよ風が大きな嵐になっていきます。

後半になるにつれて、読むのを止められなくなります。

主人公の淡白な性格が自分と似ていて、彼女の気持ちがわかるなあと感じました。

  • 現実から逃げたいと思っても、逃げない
  • 空気を読めるタイプ
  • 人の悪口を聞かされる役になりがち
  • どこか冷めている
  • 本音が言えない
  • 無口

どれかに思い当れば、この小説はおもしろいと感じるでしょう。

私は、私が思っていたより、うまく世間をわたることができた。取り繕うことも、平凡を装うことも、やってみれば簡単なことだった。要するに心をこめなければいいのだ。言葉も態度も、そんなものは上っつらなのだから、いくらでも演技をすればいい。ストレスさえも溜まらない。

引用元:パイナップルの彼方 山本文緒
山本文緒 「パイナップルの彼方」 詳細はこちら

初版1995年発行から10年以上たってから出会いました。

特別古臭さは感じなかったです。

読み終えて、10年以上前に書かれたものだと知っておどろいたことを今でも覚えています。

何のために働いていますか

「絶対泣かない」 山本文緒 

あなたの夢はなんですか?仕事に満足してますか?仕事に誇り、もってますか?

引用元:絶対泣かない 山本文緒

この一文にドキっとする人は多いと思います。

特に20代後半~の女性は、それなりに仕事もこなせるようになって、社会の流れにのってきたころですね。

落ち着いて余裕がでてきたころです。

私は何をやっているのだろう、何のために働いているのか? 私のこれからはこのままでいいのかな?

といって、立ち止まって考えてしまうときにきています。

この本は短編小説です。

あきずにいっきに読めます。

看護師、専業主婦、体育教師、銀行員、エステティシャンなど15人のお話です。

それぞれの仕事環境で変わっていく、主人公の心情がみえます。

1話目の「フラワーデザイナー」は、事務職のOLの話です。

共感できる人は多いと思います。

事務ではなく「デザイナー」などのカタカナの仕事がしたい、やりがいのある仕事がしたい、、など一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

とにかく単調な会社の仕事ではなく、“やり甲斐のある仕事がしたい”と女の子達は辞めていく。(中略)変わった職業に就けばやり甲斐がある、と勘違いしているような気がしてしょうがない。

引用元:絶対泣かない「フラワーデザイナー」山本文緒

私はこの本に26歳のときに出会いました。

社会人として、会社員として世間に溶け込んでいました。

私はこの仕事がやりたいのか?と立ち止まらされた本です。

一度きりの人生で、いくつもの職業につけません。

いろいろな職業の方の目線で物事を見られるのはそれだけで思考回路が増えます。

著者のこのあとがきの一文が超ささりました。

もし、あなたがあなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身です。

引用元:絶対泣かない「あとがき」山本文緒
山本文緒 「絶対泣かない」 詳細はこちら

1998年に文庫本が発行されました。

古いですが、読んでみる価値ありです。

私はこの本は図書館で借りて読みましたが、自分で持っておきたくて購入しました。

あなたの悩みはだれかの悩み

だれかも、自分と同じことで悩んでいると思うだけで、ちょっとは安心しますね。

共感できるポイントが多く、ゾゾゾォと引き込まれてしまう本です。

おすすめします。

私は「パイナップルの彼方へ」に出会ったことがきっかけで、読書をするようになりました。

山本文緒さんの本はほぼ読みました。

それきっかけで思考のベクトルが少しでも変われば、少しずつ意識の変化が起こります。

自分にとって、いい本、いい文章に出会えると自分のアウトプットする言葉も変わってくる気がします。

山本文緒さんの最新刊は、こちらの記事で紹介しています ⇒ 「自転しながら公転する」山本文緒|読めてしまう長編小説を紹介!共感ポイント多めです

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