【外資系企業や翻訳会社でも英語は使わない?!】英語力は必要なかった体験談

仕事

英語を勉強している方は、英語を生かした仕事につきたいと考えるでしょう。

そして、外資系企業や翻訳会社にあこがれがある方も多いと思います。

しかし実際、外資でも英語力はそれほど必要とされません。

翻訳会社に入っても翻訳者にはなれません。

この記事では、外資系企業や翻訳会社に勤めた経験を紹介します。

あくまで私が勤めた会社の話なので、一個人の意見として参考にしてください。

仕事内容は会社の事業内容や規模にもよります。

外資系企業でも英語は必要ない

英語が必要かどうかは、外資系企業かは関係ありません。

外資系企業とは
外国法人や、外国資本と関係が深い日本企業のことで、以下3つの場合があります。
1. 外国企業が日本で会社を設立する
2. 日本企業と外国企業が共同出資して会社を設立する
3. 外国企業が日本企業を買収する

私が新卒で入社して数ヶ月後に、合併により外資系企業になりました。

上記3のパターンです。

社長がアメリカ人となり、いっきに世界20か国以上に支店があるグローバル企業になりました。

しかし、上司や同僚が外国人になったわけではありません。

すべて標準語が英語になるとかいったことは一切ありませんでした。

私が所属していた支社には30名ほどの従業員がいましたが、日本人しかいませんでした。

そして、合併前と後で仕事内容は変わっていません。

仕事内容

新卒の私の仕事は事務です。

いわゆる一般事務という、特に何か資格が必要な仕事ではありません。

英語は多少必要でした。

  • 報告書の作成
  • 顧客登録、見積作成、請求書作成
  • 電話応対など

事務の内勤は5人で、そのうち英語ができる人は1人でした。

業種は特殊で、試験所です。

例えば電気製品の安全性を試験し、試験結果の報告書を作成していました。

それがほぼ英語でした。

しかしフォーマットが決まっており、英文を考える機会はほぼありませんでした。

過去の報告書を参考につくれます。

そもそも新人の私は雑用メインでした。。

電話応対で1日終わりますね。

年に1回くらい、海外のお客様から電話がきたり、メールのやりとりがありました。

それも、英語わからなくてもどうにかなる程度でした。

TOEICの点数は必要?
あったほうが有利な程度です。外資系の企業であればなおさら資格は重視されません。個人の能力や実績が評価されます。

外資になったと感じたできごと

社長からのメール

たまに社長からのメールが全従業員あてに届きます。

もちろん英語でかかれています。

社長からのメールってあいさつ程度で重要なことは書かれていませんよね。

内容がわからなくても、すぐに日本語に訳されたものが送られてきます。

動画もありましたが、すぐに字幕がつけられたバージョンが送られてきて、困ったことはありませんでした。

英語のカタカナ

「英語のカタカナ」が使われるようになって困っている人は多かったです。

アジェンダ、レベニュー、ペンディングとかです。

アジェンダ(agenda):議題
レベニュー(revenue):収入、収益
ペンディング(pending):保留中

このカタカナを使うことに抵抗があるおじさんはたくさんいました。

ジョブ型雇用を先取り?

今ではよく知られるようになったジョブ型雇用の一部が取り入れられました。

ジョブ型雇用とは、個人の能力や実績で評価される雇用のこと。
日本の会社のほとんどは、会社に所属しているという意味で、メンバーシップ雇用といいます。

全従業員対象で、目標、実績、反省点をまとめて提出、および上司との面談が実施されました。

英文でも必要でしたが、例文が送られてきてマネしてつくれました。

年1、2回だったと思います。

目標を達成できなくても、お給料が下がるというよりかは、ボーナスに影響する感じでした。

この制度ができてから、いわゆる「窓際」の人はいなくなりました。

私の場合、単なる事務職で、目標とかきかれても、、と困った記憶があります。

しかし新人の強みをいかし、他の人がやっててまだ自分はさせてもらっていない業務を適当にあげました。

 

この会社で3年半つとめました。

出産後も、英語を使った仕事につきたい!という呪縛から逃れられない私が進んだのは翻訳会社です。

翻訳会社は社内に翻訳者はいない

パートで翻訳会社に入社しました。

英語はまったく必要ありませんでした。

10名程度の小さい会社でしたが、英語ができる人は一人もいませんでした。

翻訳者はいません。

翻訳はすべて外注だったからです。

フリーランスの翻訳者さんに外注していました。

チェックする人、チェッカーも外注でした。

事業内容は翻訳とDTPでした。

DTPとはDeskTop Publishingのこと
パソコン上で原稿作成やレイアウト、編集等をすることで、印刷できる状態のデータを作成することです。

この会社では、マニュアル制作がメインの事業でした。

英語だけではなく、フランス語、ドイツ語、中国語も扱っていました。

機械操作のマニュアルをそれぞれの言語バージョンを制作していました。

機械といっても工場で使われるような特殊な業務用です。

機械は毎回新しいものがつくられているわけではなく、マイナーチェンジをくりかえしています。

その変更された部分のマニュアルも更新が必要で、その部分の制作がメインです。

仕事内容

英語の書類をシュレッダーするくらいしか英語はみていませんでした。

私はパートの庶務という立場で採用されました。

社員さんからの指示でこまごま動いていました。

伝票つくったり、郵便局へのおつかいとか、、制作以外のこと全部といった感じです。

社長、社員さんが5人、派遣社員が3人、そしてパートの私という構成でした。

翻訳会社のイメージとは

翻訳会社に入れば翻訳ができるわけではありません。

年に数回、大学生からこんな電話があります。

翻訳に興味があるのですが、新卒の採用はしていませんか?

(電話があるのは決まって男子大学生です。)

もともと新卒採用はしていないし、社長に断ってといわれました。

仮に新卒で入社できたとしても、翻訳してないしな。。

ギャップを感じました。

翻訳会社に入れば翻訳が勉強できる⇒翻訳者になれると思っている人はわりといるのでしょう。

私もその一人でした。

面接時のできごと

TOEICの点数あっても、うちでは英語使わないよ。

この会社での面接でいわれたことです。

たしかに、求人票の仕事内容に英語を使う等の文言は一切ありませんでした。

英語、翻訳に興味があったので、関われるかと思いきや、そうではなかったショックはありました。

英語をいかした仕事につきたいなら考えること

なぜ英語なのかを考える

そもそも、なぜ英語が使いたいのか? おおもとを考えるべきです。

単なる「なんかかっこいいから」だけでうすっぺらい動機ではないですか?

採用する側で考えると、英語ができる人という「能力」より、「個性」がある人が重視されます。

例えば、社会人としての常識がある人、センスがある人、ある程度の柔軟性がある人、指示にしたがってくれそうな人の方がほしいですね。

組織に入って働く以上、必要になることです。

ハローワークの求人票をたくさん見てきた経験があります。詳しくはこちらの記事をどうぞ ⇒ 【就職・転職】ハローワークの求人を見るポイントはこれ!紹介時の注意点も紹介

友人の話です。

彼は英語ができなかったですが、外資系企業に転職しました。

英語でのやりとりが必要とされる会社でした。

転職できた理由はひとつ、彼に魅力があったからです。

これまでの実績や彼個人の仕事のセンスで、「再現性がある」と判断されたからだと思います。

英語は後からでもやれば身に付くものです。

彼はスクールに通ったり、独学で英語を習得していました。

好きがプレッシャーに変わる

「好きだから」「できるから」というプライドの呪縛は危険です。

語学学校につとめた友人の話です。

彼女は英語がずっと好きで、英語科の大学を出て、留学も経験し、語学学校に勤めました。

きつい研修を終え、仕事について1年足らずで退職しました。

たしかに、彼女が理想とする英語が飛び交う環境です。

しかし、好きなことが仕事になった場合、好きなことが責任とプレッシャーにかわってしまいました。

さらに激務が重なり、パンクしました。

ちゃんとやらなきゃというまじめさにしばられていました。

好きな英語が「義務」なってしまい、きらいになりたくないからやめた、そうです。

「私は好きでこの仕事をしているんだ」という呪いにかかっていました。

外資系企業でも英語力は必要なかった

  • 外資系企業=英語必須ではない
  • 翻訳会社に入っても英語は使わない
  • 英語よりも再現性のある実績をつくる

英語をつかった仕事につきたい!という呪縛にとりつかれていた体験談でした。

強みをいかしたい、能力をいかしたい、、志望動機でよくいわれるアピールですね。

アピールが呪縛にならないよう気を付けましょう。

翻訳というおしごと 実川元子(著)
「呪縛」にとらわれている翻訳志望者のことがかかれてる本です。翻訳の仕事内容や、翻訳者の経験やインタビューも書かれています。
詳しくはこちら ⇒ 翻訳というおしごと